動物愛護関連の情報と、独学ピアノの記録。

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灰色の翼持つ美しき者たち 5章

5章 諸刃の剣

 

「それがサタンの姿です。」
木々は物語を話し終わると、一息ついてそう告げた。
私は胸が痛くなった。だけど、サタナエル、いやサタンに出会ったばかりの時とは少し違う痛みだった。痛いけれど、なんだか哀しい。そんな想いを胸に抱え、私はどうすれば良いか分からず、思わず木々達を、そして木の葉に何か映りはしないかと見まわす。

木々がさらっとそよいだ。木の葉がプリズム色に優しく輝く。私は、まるで木々が優しく微笑んだかのように感じた。
「あなたを剣の元へ案内しましょう。」
木々は、またさらっとした音をたて、道を示すように木の葉をきらめかせた。木々のプリズム色の光の示す通りに歩き、1本の道を突き当たると、そこは小さく開けていて、草木は生えておらず地面の見える場所だった。その中央には、一抱えほどの大きさの岩でぐるりと囲んだ円があった。
そしてその中央の土の盛り上がったところに、1本の剣が刺されていた。見た目は、何の変哲もないただの剣にしか見えない。
大きめの粗末なナイフといってもいいような物だった。サタンが言ったような力を持つ剣ということだから、もっとまがまがしかったり仰々しいものを想像していた私は少し拍子抜けしてしまった。
一見したところ、刃は磨かれている風でもなく、そんなに危険な物にも見えない。

私は木々にたずねた。
「あのような何の変哲もなさそうな剣が、サタンの言うような力を本当に持つのでしょうか。」
木々は答える。
「あの剣そのものは何も出来ないし、何の力も持たないのですよ。あれは使い手によって変化する道具なのですから。そして、あなたはすでにそれを使いこなすための礎を持っています。あなたはサタンに会ったときに、胸に黒いものが芽生えたでしょう。そして、その正体を知った今はそのときとは違うものが芽生えているはず。あの剣は、そんな心の状態を体現させることが出来るのです。サタンがあなたをそそのかそうとしたときのように、心に黒いものを抱えたまま振れば、自分や他のものを切り刻むことも可能です。だけどそれは”諸刃の剣”なのです。」

”諸刃の剣”、私は初めて知るその剣の呼び名についてたずねた。

「諸刃の剣とは?」

木々は答える。

「”諸刃の剣”というのは、一方を傷つければ傷つけた側もろともに傷をうけてしまう剣のことです。ですから、他者を切り刻めばどんどん”羽は黒く”なり、”サタンのような姿”にもなっていくでしょう。新しい世界では”肉体”というものに阻まれ、一見したところは分からないかもしれません。そしてもちろん、鍛錬により剣自体の力を増幅させることも可能です。その力によって空を飛ぶことも出来ます。あなたはこれは何だと思いますか?」

私はしばし考えてみた。そんな私に木々は告げる。
「今少し私達が力をこめてみました。さあ、引き抜いてみて。答えはそれから教えましょう。」

 

(続く)

 

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コメント

何だと思いますか?笑
今日1日頑張ったために、なんとか一通り仕上がりました。次の章が最終です。
今日も熱が出てしまったけどなんとか終わった。(白熱しすぎか^^;)
あとは推敲だけだ。これで締め切りに間に合うぞ(妙なミス発見するか書き換えたくならない限り)。
熱大丈夫かな^^;  
物語 どうなるんだろう((o(^∇^)o))わくわく
ふぁみさん・ありがとう^^ 熱は大丈夫です。集中していたから、ちょっとオーバーヒートだったんだと。(今日も目が覚めなくていい時間に目が覚めているし;)。
マスターソード(ゼルダ)ですか?(湯
上を書いてから小一時間(マジで)考えた結果「言葉」かなぁと思ってみることにしました。「空を飛べる」が結局分らなかったので多分これははずれですねw
あえて最終章まで読まずにここで考えてみましたww
では最終章読ませていただきまーすw
シディくん・おおー、ふむふむ^^ これで次の最終章でそういうことだったわけかww(最終章のレス先によんだからw)

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